合計消費電力の計算は次の計算基準と計算方法に基づいて行われます。
熱設計
消費電力計算はプロジェクトまたはエンクロージャごとの一般条件の定義に基づいており、Rittal Therm では次の要素が考慮されます。
- 設置状況
- 空調範囲
- 電圧
- 周波数
EPLAN での "熱設計" にはさらに次の要素が必要です。
一般条件として定義する要素はすべて部品または部品配置のプロパティになっており、その値をユーザーがプロジェクト計画で正確に指定する必要があります。
デバイスとバスバーの消費電力の計算
個々のデバイスとバスバーの消費電力の計算では個々の部品プロパティが評価されます。部品プロパティは EPLAN 部品管理で管理されます。これらの部品プロパティは、コンポーネントのメーカーから提供されている仕様であるか、ユーザーが作成および管理しているデータです。EPLAN Software & Service はこれらの仕様の正確性について一切の責任を負いません。
デバイス
デバイスの消費電力は次の式に従って計算されます。
デバイスの実際の消費電力 = 消費電力 x 同時性係数
- デバイスの消費電力は [最大消費電力] 部品プロパティから読み込まれます。
- 同時性係数 (既定値 = 0) は [熱設計: 同時性係数] プロジェクト プロパティでプロジェクトの係数として設定します。これはプラント内のすべてのデバイスの電源が同時にフル パワーで投入されることはないという事実が考慮された推定値です。デバイスごとに異なる同時性係数を設定できます。同時性係数は機能の [熱設計: 同時性係数 (自動)] プロパティに保存されます。
計算結果は [熱設計: デバイス消費電力] プロパティに保存されます。
バスバー
バスバーの消費電力計算では [バスバー] タブにある次の部品プロパティが評価されます。
- レール断面 (単位: mm²)
- レール材料 (銅 / アルミニウム / その他の材料)
- +20 °C での導電率
- 温度係数
注記:
- 温度係数は 20 °C の温度に適用されます。
- バスバーの消費電力はレールの平均温度である 65 °C で計算されます。
バスバーの消費電力 (単位: ワット [W]) を計算するには次の要素が必要です。
- バスバーの動作電流 (単位: アンペア [A]) ([熱設計: バスバー動作電流] 部品プロパティより)
- +65 °C のバスバー温度での 1 メートル当たりのバスバーの抵抗 (単位: オーム [Ω])。部品プロパティ [レール断面]、[+20 °C での導電率]、[温度係数] および温度差 Δθ [K] = 45K から自動的に計算されます。
計算式:
式のシンボル:
A = レール断面積 (単位: [mm²])
σ = 導電率 (単位: MS/m) (= 1 メートル当たりのメガ ジーメンス) または [m/(Ω x mm²)]
α = 温度係数 (単位: 1/K) - レールの長さ (単位: メートル [m]) (部品参照プロパティ [プロジェクトの単位でのサブセット / 長さ] より)。
バスバーの消費電力は次の式を使用して計算され、[熱設計: デバイス消費電力] プロパティに入力されます。
式のシンボル:
I² = バスバーの動作電流 (単位: [A])
R(+65°C) = バスバーの抵抗 (単位: [Ω])
l = レールの長さ (単位: [m])
合計消費電力
合計消費電力の計算では、各空調範囲に設置されているデバイスの消費電力とバスバー システムの消費電力が使用されます。合計消費電力の計算結果が [熱設計: 空調範囲の合計消費電力 [n]] プロジェクト プロパティに入力されます (ここで、"n" は空調範囲の番号)。
関連項目